大震災 無事です 心配ないです

昨日の地震直後から、大規模な停電がおきていましたが、昼過ぎに復旧しました。
ライフラインはすべて使えるようになりましたので、一安心です。


地震が起きた時は、職場にいました。
最初はこんなに大災害なるなんて思いもせず、呑気に「おぉ、けっこう強いね〜」なんて話していました。
その直後に大揺れになり、窓から外を見ると、建物がありえないくらいにグニャグニャに揺れています。
そこで慌てて外に避難しました。
まともに歩けないような状況で、そこで初めて自分が大震災に遭ってるという現実を理解したんです。


電気はあっという間に止まり、携帯は電話もメールも使えない状況。
携帯のワンセグでテレビを見て、少しずつ状況が分かってきました。


震度6


今まで経験したことのない、まるで他人事のように思っていた震度です。
これほどの地震になると、最初は現実を受け入れられないんですね。
外に避難した人が徐々に集まってきましたが、みんな笑ってるんです。
恐怖で顔は引き攣ってますけど、ヘラヘラ、ニヤニヤ、みんな笑ってるんです。
笑うしかないんですね。


そこに、火災警報が鳴り響きました。
みんな凍りつきました。
職場の警報装置はネットワークでつながっていて、敷地内のどこで火災が発生しているのかが液晶画面に表示されます。
まだ避難できていない人が取り残されていたら大変ですから、現場に駆けつけて救助作業を開始しました。
結果的には、人はすべて避難した後だったので、建物内を確認してから自分たちも避難しました。
火災も起きておらず、地震によって故障?誤作動?したためだったようです。


しかし、停電で暗くなった建物内を、確認して回るという作業は怖かったですよ。
その時には火災が起きていないということも分かっていませんでしたから、防火扉の向こうは火が燃えさかっているかも知れないわけです。
防火扉を開けると新鮮な空気が一気に流れ込んで、爆発的に燃えることもあります。
実際には火災は起きていなかったので何事も起きませんでしたが、建物内の確認中は、ずっとその恐怖と戦ってました。
スプリンクラーが作動していたので、床はすでに水浸しです。
非常階段で上まで上がって行ったのですが、その間も余震で建物が軋むんです。
いつまた大きな地震がくるか分かりません。
火災も起きてるかも知れません。
ケガ人や、亡くなった方が倒れてるかも知れません。
「だれかいますか〜!」と呼びかけながらの作業でした。


男性職員が集まって、分担して他の建物内も確認することになりました。
壁が崩れたり、天井の蛍光灯やエアコンが落ちている中、避難できなかった人や、火災の元になるようなものが無いかどうか確認していきます。
激しい揺れがきた場合に備えて、窓を開けながら進みます。
玄関まで戻れるかどうか分かりませんので、どうしようもなくなったら窓から飛び降りるためです。
全ての建物を確認し、人がいないことを確認して、やっと落ち着いて周囲を見回してみると、ショックで体がガタガタ震えている人や、泣いている人など、今までテレビでしか見たことがなかった状況が目の前に広がっていました。


電気が止まっているので、暗くなったらもう何もできません。
余震も続いていて危険なので、建物内は立ち入り禁止にして、職員は解散となりました。
電車やバスなどで通勤している人は、復旧されるまで身動きが取れませんから、職場内に避難所を設営し、ストーブや毛布などを持ち込んで夜を明かすことになりました。


帰宅すると、私の家は幸いにも倒れた物や壊れた物もなく、水道も生きてました。
まず風呂場に行って、浴槽に水を貯めます。
水が貯まるまでの間に、アウトドア用のガスコンロと、ガスボンベを用意しました。
インスタント食品や水、懐中電灯など、思い付いたものを出して、まとめておきました。


7時頃、食べられるときに食べておこうと思って夕食を作りました。
バーナーでお湯を沸かして、カップラーメンです。
せっかくお湯を沸かしたので、ティーバッグでお茶をいれました。
暖房も使えず、室内にいてもどんどん寒くなってきていましたから、熱いカップラーメンとお茶が、すごく美味しかったです。
こういう時に温かい物が食べられると、気持ちが楽になりますね。
いつまでこの生活なんだろう、また大きな地震が来たらどうなるんだろうという不安もありますが、温かい物を食べれば、「なんとかなるだろう」という気持ちになります。


ラーメンをすすりながら、ふと実家のことを思いました。
すぐ近所なんですが、アウトドア用のガスコンロなんて持っていませんから、お湯を沸かす手段がありません。
この寒い中、何を食べてるんだろう・・・それ以前に食べる物があるのかな・・・と。
インスタントの蕎麦とウドンがあったので、ガスコンロと一緒に持っていきました。
やっぱり、お湯もないし、食べるものと言えばお菓子くらいで、インスタントの食べ物もないとのこと。
ここで初めて、ガスも生きてることをラジオで知りました。
ガスが使えないのは、ガスメーターの安全装置が働いたためで、メーターに付いてるボタンを押せばすぐ使えるとのこと。
しかし、実家はIHなのでガスが通ってもダメなんです。
全てを電気に頼ることの危うさ、脆さを感じました。
とりあえず自宅はガスが使えればコンロが使えますので、アウトドア用のバーナーは実家に置いてきました。
実家の、電池式ランタンの電池が切れてしまって、スペアが無いとのことなので、いったん家に帰り、ガスが使えるか確認してからスペアの電池もってくることに。
ガスが使えたので、急いでお湯を沸かして魔法瓶に詰めました。
魔法瓶と電池を持って実家に戻ると、父親が帰ってきていて、お湯を沸かしている最中でした。
持っていったインスタントの蕎麦とウドンを作ったのですが、部屋が冷え切っているので湯気がすごかったですよ。
それほど寒いところで熱い物を食べているので、鼻水がでてくるんですね。
2人とも鼻をすすりながら、「美味しい、美味しい」「あったかいね、ありがたいね」と。


22時頃まで一緒にいましたが、さすがにすることもないので家に帰りました。
家に帰って毛布にくるまっていると、急に疲れがでて、眠くなってきました。
でも、一方では頭のどこかは緊張状態なんですね。
ウトウトするんですけど、小さな余震でほんの少し揺れるだけでギクッとして目が覚めます。
朝までずっと、そんな状況でした。


そして今日、昼過ぎに電気が復旧しました。
充電するものをすべて充電して、ご飯を炊いて、お湯を沸かしました。
まだまだ油断できない状況ですが、ネットも使えるので記事を書いておきます。
忘れないうちに。